12月といえばクリスマスで,クリスマスといえばサンタクロースなので,前回はサンタクロースが煙突から入る理由を考えてみました。
ところで,このサンタクロース,無邪気に存在を信じていた純粋無垢な子ども時代は,すぐに終わってしまい,存在を否定するどころか,勝手に人の家に入るのは犯罪だなんて言い出す始末。すっかりひねくれたガキになってしまいました・・・で,そこまでいうなら,サンタクロースを起訴しちゃいましょう。罪名及び罰条は,住居侵入罪,刑法第130条前段です(公訴事実は省略)。ちなみに,以下は,日本の法律で考えます。
さて,サンタクロースが勝手に人の家に侵入したと起訴されたわけですが,結論からいうと,たぶん無罪です。いや,きっと無罪です。
住居侵入罪は,なぜ処罰されるのか?という点に関して議論があるわけですが(悪いことだからというのは,トートロジーにすぎない,なぜ,悪いのか?が問題),管理権者の意思に反して住居に立ち入るのが悪いことだと考えておけば足りるでしょう。要するに,管理権者の同意があれば,住居侵入罪は成立しないのです(当然といえば,当然の帰結)。
サンタクロースは,クリスマスの夜に子どもにプレゼントを渡すために煙突から家に入るわけです。で,この事実は全世界共通のハズです(たぶん)。さらに,サンタクロースがプレゼントを渡すために家に入ることは全世界の人々に容認されているはずです(ここでは,サンタクロースを起訴されたらという仮定の下,議論をしているので,当然,サンタクロースの存在は前提となっている。)。
もちろん,サンタクロースに「家に入ってもいいです。」と直接は伝えていないですが,子どもと一緒にクリスマスムードで盛り上がり,サンタクロースの話をさんざんしているのであれば,推定承諾があったと考えるが自然です。
したがって,サンタクロースには,住居侵入罪は成立せず,無罪となります。
が,ここで,疑問に思う人のいるのではないでしょうか?サンタクロースの立ち入りは承諾したけど,A(被告人)は本当にサンタクロースなのか?この点,立証しないとダメなんじゃないかと。
さっき,公訴事実を省略しましたが,おそらく,P(検察官)は,Aがサンタクロースではないということで起訴したはずです。つまり,Aはサンタクロースの格好をして侵入したのだと。
サンタクロースが存在していると仮定していますが,前回,書いたように誰もその姿を見たことはないのです。なので,Aがサンタクロースかどうかは大問題です。
ところが,刑事裁判には,「疑わしきは被告人の利益に」という原則と,挙証責任はPにあるという原則があります。なので,AがサンタクロースではないということをPが立証しないといけないわけです。が,そんな立証はできないので(たぶん),Aはサンタクロースだと認定されるハズです(ただ,裁判官が経験則をどう判断するかによる。)。
以上,長々と書きましたが,サンタクロースは結局,無罪です。実際,裁判になるとおもしろそうです。特に,人定質問が。職業は何なんだろう?とか国籍は?とか・・・!?国籍?
重大なことに気づいてしまいましたが,長々と書きすぎたんで,次回にということで,まさかの第2回公判へ続く。
♪Mr.Children「ランニングハイ」(アルバム:I ♥U収録)
なるべく,語感と言うか語呂のいい言葉を探しました。とにかく探しました。で,見つけました!?青天霹靂にわか雨!!
青天の霹靂なんていうから,何事かと思ったら・・・にわか雨って!?
青天霹靂にわか雨。深いんだか,浅いんだか,そんな感じの取りとめのない法律家のタダの戯言(ざれごと)です。
2008-12-12
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