2008-12-15

サンタクロースが起訴されたら!?②-法律23-

 それでは,開廷します。前回の続きです。サンタクロースは住居侵入罪で無罪だったんですが,重要なことに気づいてしまいました。気づいた以上は,P(検察官)も追起訴せざるをえないでしょう・・・
 サンタクロースって,日本国籍を有していないと思われます(そもそも,どこの国籍も有していないのでは?)したがって,サンタクロースは法律上,外国人です。外国人なんで,勝手に日本国に上陸してもらっては困ります。
 ってなわけで,サンタクロースは出入国管理及び難民認定法(通称,入管法)違反を問われるのです!!

 どういうことかというと,サンタクロースってトナカイのソリに引かれて空から舞い降りるわけです。なので,有効な旅券で日本国領事官等の査証を受けたものを所持していないと思われます(たぶん)。仮に持っていたとしても,法務省令で定める手続により、入国審査官に対し上陸の申請をして、上陸のための審査を受けていないのは明らかです。そりゃ,空から舞い降りるわけですから!
 つまり,サンタクロースって,不法滞在者なわけです。関連する条文は,入管法の以下の条文です。要するに,パスポートもビザもなしに入国するな!っていうのと,入国審査を受けずに入国するな!という条文です。

 
三条 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に入つてはならない。
 一  有効な旅券を所持しない者(有効な乗員手帳を所持する乗員を除く。)
 二  入国審査官から上陸許可の証印若しくは第九条第四項の規定による記録又は上陸の許可(以下「上陸の許可等」という。)を受けないで本邦に上陸する目的を有する者(前号に掲げる者を除く。)

六条 本邦に上陸しようとする外国人(乗員を除く。以下この節において同じ。) は、有効な旅券で日本国領事官等の査証を受けたものを所持しなければならない。ただし、国際約束若しくは日本国政府が外国政府に対して行つた通告により日 本国領事官等の査証を必要としないこととされている外国人の旅券、第二十六条の規定による再入国の許可を受けている者の旅券又は第六十一条の二の十二の規 定による難民旅行証明書の交付を受けている者の当該証明書には、日本国領事官等の査証を要しない。
 前項本文の外国人は、その者が上陸しようとする出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官に対し上陸の申請をして、上陸のための審査を受けなければならない。

七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
 一  第三条の規定に違反して本邦に入つた者
 二  入国審査官から上陸の許可等を受けないで本邦に上陸した者

 こうなっては,弁護の仕様が・・・子どもの夢も希望も儚く消えてしまうことに・・・期待可能性や超法規的措置を主張することも考えらえますが,期待可能性なんて,認められることはないし,超法規的措置もなおさらです。
 こうして,結局,サンタクロースは有罪となるのでした。

 ♪BUMP OF CHICKEN「ラフ・メイカ―」(アルバム:present from you収録)

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