2020-05-28

告発は代理人ができない?

 桜を見る会をめぐって行われた安倍総理に対する背任容疑での告発が不受理になったと報道されました。その告発が不受理になったのは,代理人による告発だからというのが理由のようです。

 告訴・告発については,刑訴法に規定があります。告訴は,告訴できる人が被害者等に限定されているのに対して,告発は誰でも行うことができます。そして,告訴は代理人によって行うことができます
 第二百四十条 告訴は、代理人によりこれをすることができる。告訴の取消についても、同様である。
 ところが,告発については刑訴法に代理人ができるという規定はありません。①規定がないので,告発は代理人によってすることはできないと解釈することができます。一方,②告訴権者が限定されている告訴が代理人でもできるので,誰でもできる告発は当然,代理人でもできると解することもできるでしょう。

 条解刑事訴訟によると,通説は,告発は代理人ではできないという立場をとっているそうです。ただ,実務上は,弁護士が代理人として行う告発も普通に受理されている印象なんですが…そもそも,告発は誰でもできるんだから,代理人による告発が認められないとしても,代理人が代理人ではなく本人として告発したと扱うこともできるんじゃないかと思ったりもします。

 ♪Mr.Children「ランニングハイ」(アルバム:I ♥ U収録)

今さらながら,都構想の根拠法を見ておこう

  大阪市を廃止し特別区を設置するいわゆる大阪都構想の2度目の住民投票が11月に行われます。前回の住民投票は僅差で否決されましたが,今回はどうなるんでしょうか?  そんな大阪都構想の是非は,いったん置いといて,その根拠となっている大都市地域における特別区の設置に関する法律の条文を...