2019-05-19

直面する課題に何ら対応していないといっても過言ではない

 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案(野党提出とは別の法案)が,おそらく今国会で成立します。正直,で?という内容なのですが,一応,概略だけでも紹介しておくことにします。

 1 ロースクールが直面している課題
 法案の概略を紹介する前に,そもそもロースクールが直面している課題を紹介するまでもないですが,大前提なので,紹介しておきます。
 ①過半数のロースクールが募集停止,入学者数はピーク時の約28%,予備試験の合格者の約74%が大学・ロースクールの学生
 ②法学未修者の司法試験の累計合格率が約50%,社会人志願者が激減
 という,ロースクールが直面している課題を解消するために,以下のような制度の新設だったりが行われる予定です。

 2 法曹コースの設置
 学部段階から法曹志望者が充実した教育を受けれるように,法曹コースが新設されます。ロースクールは,法曹コース修了者を対象に定員の2分の1を上限に特別選抜を実施するようです。
 ちなみに,ロースクールのない大学も法曹コースを設置することはできるみたいです。

 3 ロースクール在学中の司法試験受験が可能
 早期卒業,飛び級入学を推進するとともに,ロースクール在学中に司法試験を受験できるようになるようです。ただし,在学中に司法試験を受験した場合,ロースクールを修了しないと,司法修習を受けれない制度になります。

 4 ICTの活用
 ICTを活用することで,ロースクールのない地域からロースクールの進学を促進するとともに,社会人に特化した教育を促進するそうです。
 また,ロースクールの入試において,受験時期・科目等で配慮を行い,多様なバックグラウンドを有する有為な人材を確保するそうです。

 ♪Mr.Children「フラジャイル」(アルバム:B-SIDE 収録)

今さらながら,都構想の根拠法を見ておこう

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