2007-08-20

意外と良心的?-法律⑪-

 閑話休題。とある駐車場にこんな看板が。契約車両以外の駐車禁止違反したら2万円徴収しますと。ところで、これって法的拘束力はあるんでしょうか?一人で何言っちゃってるの?みたいな感じにならないのか?で、検証です。

 思うに、法的拘束力なんかなくたっていいハズです。無断駐車は不法占拠なんで、立派な不法行為です。したがって、損害賠償請求できるわけです。
 しかし、当然、損害が発生しないと賠償請求できないわけで・・・30分停めただけやった場合、損害は?厳密に言うと発生してるんでしょうが、絶対に費用倒れ。だとすると、やっぱり、あの看板通りの法的拘束力が必要です。

 通常、私人間で法的拘束力を発生させるなら契約です。じゃぁ、契約なのか?
 ここで言う契約は駐車場契約(?)ではなくて、無断駐車した人と駐車場の所有者との契約・・・ですよね?契約だとしたら、無断駐車した人は2万円払うことに合意してるわけで・・・!?そうすると、あれじゃないっスか?契約車両以外の駐車禁止、違反したら2万円徴収しますってのは、2万円払ったら、車停めていいよって契約?それは、おかしいって!駐車場の所有者は、2万円が欲しいんじゃなくて、車停めてほしくないんだから。
 ってことで、契約説はアウトになりそうです。いや、2万円払ったら、車停めていいよって契約なんて考えるからダメなんで、もっと素直に考えましょう。この看板の意図は、無断駐車したら、2万円払えってコト。要するに、損害賠償額をあらかじめ決めておいたと考えるのが自然。訴訟になると、損害の発生を立証しないとダメなんで、その立証を省く趣旨だと。そうすると、一種の損害賠償額の予約ってことに。で、無断駐車してる人も看板見てるから、黙示の合意があったってことで・・・あれっ?やっぱり契約?

 どう転んでも、契約なのが気に入らない。そもそも、損害の発生なんて簡単に立証できるんで、こんな損害賠償額の予約なんてしなくたっていいハズです・・・と思ってたら、そうでもないコトに気づきました!!損害額は、日割り計算すればいいんですが、いつから、無断駐車してたかの立証は、やっぱ難しいんです。
 損害賠償額の予約でよかったんですね・・・と思ったら、これだと、2万円以上の損害賠償はできないってコトに・・・う~ん、駐車場のオーナーは、どういうつもりなんだ!?

  ♪YUI「How crazy」(アルバム「CAN'T BUY MY LOVE」収録)

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