2007-11-02

矛盾してませんか?-法律⑰-

 新61期司法修習生(予定)は今、事前課題に追われてるんじゃないでしょうか?いや、きっと、追われてるハズです。
 新司法試験受験後、ろくに勉強してこなかったんで、これは、結構キツイです。あれ?法律書ってこんなに難しく書いてあったっけ?とか、ロースクール時代の方が、すべてにおいて上回ってたんじゃないかと思えてきますが・・・

 で、刑事弁護の事前課題は、弁論要旨を書けというものなんですが、ちょっと、気になったコトがあるんで書いておこうと思います。法曹界に一石を投じるとか、そんなんじゃなくて、単純に気になったんで。

 刑事弁護で弁論要旨を書く際は、情状も書くわけです。被告人には、こんなに有利な情状がありますよと、要するに裁判官に同情してもらうわけです。
 で、情状に被告人の経歴というか、生活歴というか、そんなのも書くわけです。たとえば、幼い頃、母親が亡くなって、母親の愛情を受けずに育ったとか。
 その一方で、被告人は反省してて、再犯の可能性はないとかも書くわけです。

 ここで、思うのは、この2つって矛盾してるんじゃないかってコトなんです。母親の愛情なしに育ったっていう主張の意図が良く分かりませんが、人格形成に何らかの影響していて、犯行の引き金になったって言う意味なら、あきらかに矛盾してると思います。
 だって、反省しようが、何しようが、母親の愛情なしに育ったっていう事実は、今さらどうしょうもなくて、それが引き金になってるんなら、再犯の可能性があるじゃないか!?と思うわけです。
 事件によっては、母親の愛情なしで育ったとかいう事実は情状になると思いますが、一般的な情状になるとは、とても思えないんですが・・・だって、こんなコト言っちゃうと、被告人って人格形成がうまくできてないとか、攻撃性のある人間だって主張してるのに等しくて、かえってマイナスになるんじゃないかと、思うわけです。

  ♪ACID TEST「Mother」(アルバム「HAPPY BIRTHDAY,JOHN」収録)

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