2010-02-10

法律家のヒヨコは羽ばたくのか!?23

 先日,初めて刑事の控訴審の国選弁護人を担当しました。刑事の控訴審は控訴趣意書一本主義などと言われることもあり,控訴趣意書の作成に一番時間と体力を使いました。
 で,実際の裁判は,どうだったかというと,実にあっけなく終了してしまいました。

 裁判所は,税務署と並んで役所の中では,親切な役所だと思っていますし,実際,裁判所は親切な役所だと思います。本人訴訟を経験された方は,思うところがあるんじゃないでしょうか?また,裁判所には裁判所書記官という人がいて,書記官がいろいろ窓口になっていますが,書記官は非常に親切でいろいろ質問してもわざわざ調べてくれて教えてくれることもあります(しかも,書記官の方から電話してもらえることも!)。

 そんな裁判所ですが,審級が上がるごとに不親切になっていきます。日本の裁判は三審制だと,公民や政経の授業で習った人も多いと思いますが,一番丁寧に審理してくれるのは,一審です。
 で,刑事の控訴審の話に戻りますが,検察官(P)が予想に反して,書証をすべて同意してくれたので(すべて不同意になると踏んでいた),書証の取調べはしてもらえました。が,書証が詳細すぎるとの理由で,被告人質問は却下されてしまいました。被告人質問は採用してくれるというのが,セオリーのようなのですが,こんなパターンもあるんだと,かなりびっくりしました。
 被告人質問はやりたかったんですが,Pからいろいろ突っ込まれると,ボロが出そうなので,それはそれでよかったのかもとも思ったりもします。
 それにしても,あっけなさすぎだろうと思っています。まぁ,控訴自体がかなり無理からな印象があったので,やむを得ない気もしますが・・・

 ♪絢香「愛も嘘も真実」(アルバム:Sing to the Sky収録)

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