2020-04-22

高さが重要といっても過言ではない

 新型コロナウィルスの影響で,テレワーク,リモートワーク等の在宅勤務をする人が増えていると思われます。
 在宅勤務で長時間,自宅で座って作業するんなら,いっそ,ちょっといい机や椅子を買っちゃおうかと思ったり,思わなかったり。

 椅子や机には,人間工学的に適した高さが存在するらしいです。その計算式が以下のようです。ちなみに,身長はcmで計算してください。

 椅子:身長×0.25-1cm
 机:身長×0.25-1cm+身長×0.18-1cm
 差尺:(身長×0.55)÷3+2cm

 なお,差尺というのは,椅子の座面から机の天板までの高さのことらしいです。う~ん,今使ってる机や椅子は,微妙に長かったり,足りなかったりする…

 ♪BUMP OF CHICKEN「彼女と星の椅子」(アルバム:present from you収録)

2020-04-21

マスクが送り付けられたら,2週間手を付けずにじっと様子を見てみよう

 新型コロナウィルス対策の目玉として,各世帯に2枚ずつアベノマスクと揶揄されている布マスクが配布されます。
 そんな中,マスクが勝手に送り付けられ,高額な代金を請求されるといった消費者被害も出始めているようです。ネガティブ・オプションっていうヤツですネ。

 そもそも,売買契約に限らず,契約は,①申込と②承諾の意思表示が合致しないと成立しません。マスクの売買でいうと,①マスク1箱or1枚〇〇円で売るよという意思表示と②マスク1箱or1枚〇〇円で買うよという意思表示が必要です。
 なので,一方的にマスクを送り付けられた場合,マスクを買うよという申込も承諾の意思表示がないので,売買契約は成立してません
 ネガティブ・オプションは商品であるマスクだけ送り付けるということはなく,何日以内に返品しないと契約成立したとみなすとかいう書面が同封されています。そんな書面があったとしても,マスクを買うよという意思表示はしておらず,どっちにしろ,売買契約は成立していません。なので,無視しておけばいいということになります。代金を支払う義務もないし,返品する義務もないのです。

 ただ,民法上は,困ったことが起きます。送り付けられたマスクの所有権は送り付けた業者にあるので,勝手に処分できません
 そこで,特商法59条に商品返還請求権の喪失について規定があって,商品の受取日から14日経過するまでに業者が引取りをしない場合は,業者の商品返還請求権は消滅します。商品返還請求権が消滅したら,自由に処分しても問題はありません
 なお,業者に引取り請求をした場合,14日の期間が引取請求日から7日に短縮されますが,個人情報を提供することになるので,あえて引取請求する実益はないように思います。
 ちなみに,商品を使っちゃうと,承諾の意思表示したよねということになりかねないので,2週間手を付けずに様子を見るのがいいかと。

 ♪Mr.Children「Prism」(アルバム:DISCOVERY収録)

2020-04-14

リツイートしてみたけれど,必ずしも賛同したわけではない

 Twitter上の投稿が名誉棄損だとして,損害賠償を求めた訴訟に対して,その訴訟はスラップだとして反訴として損害賠償を求めた事件,大阪地裁令和元年9月12日判決の気になる判示を紹介します。

 そもそも,本件で被告は,自分のTwitterで自分から積極的にツイートしたわけではなく,他人の投稿をコメントを付けずにリツイートしたのみでした。
 で,裁判所によると,「他者の元ツイートの内容を批判する目的や元ツイートを他に紹介(拡散)して議論を喚起する目的で当該元ツイートを引用する場合,何らのコメントも付加しないで元ツイートをそのまま引用することは考え難く,投稿者の立場が元ツイートの投稿者とは異なることなどを明らかにするべく,当該元ツイートに対する批判的ないし中立的なコメントを付すことが通常であると考えられる。したがって,ツイッターが,140文字という字数制限のあるインターネット上の簡便な情報ネットワークであって,その利用者において,詳細な説明や論述をすることなく,簡易・簡略な表現によって気軽に投稿することが想定される媒体であることを考慮しても,上記のような,何らのコメントも付加せず元ツイートをそのまま引用するリツイートは、ツイッターを利用する一般の閲読者の普通の注意と読み方を基準とすれば,例えば,前後のツイートの内容から投稿者が当該リツイートをした意図が読み取れる場合など,一般の閲読者をして投稿者が当該リツイートをした意図が理解できるような特段の事情の認められない限り,リツイートの投稿者が,自身のフォロワーに対し,当該元ツイートの内容に賛同する意思を示して行う表現行為と解するのが相当である」そうです。

 長々と引用しましたが,要は,①ある投稿に対して,議論や批判のためにリツイートするなら,何らかのコメントを書くはず。だから,②何のコメントもせずにリツイートするのは,その投稿に賛同する趣旨だ。ということのようです。
 う~ん,この事実認定は,雑じゃないかと思うんですが,Twitterのユーザーは,そういう感覚なんだろうか?

 ♪Mr.Children「インマイタウン」(アルバム:[(an imitation) blood orange]収録)

2020-04-11

且つなのか?又はなのか?

 新型コロナウィルスの感染が広がり,日本でも一部の都府県で緊急事態宣言が出されました。
 緊急事態宣言の前から行政から盛んに言われていたのが,不要不急の外出を控えろということです。ところで,この不要不急って,どういうことなんでしょう?という話しです。

 不要不急のそれぞれの意味は分かっているんです。不要は,必要でないこと。不急は,急いでないこと。そうではなくて,さんざん言われてる「不要不急」とは,「不要かつ不急」なのか?「不要又は不急」なのか?ということです。

 なぜ,こんなどうでもよさそうなことを考えるのかというと,外出してもいい範囲が異なるからです。
 AかつBの否定は,Aでない又はBでない
 AまたはBの否定は,Aでない且つBでない
となります。つまり,
 ⑴不要かつ不急の否定は,必要又は急を要する
 ⑵不要または不急の不貞は,必要かつ急を要する
となります。
 たとえば,食料品や日用品の買い出しは,必要な行為です。そして,自宅に在庫がないなら,急を要する行為になります(必要かつ急を要する①)。でも,自宅に在庫はあって,何日かもつけど買い足しておこうとなれば,急を要するとはいえません(必要だが,不急②)。
 ⑴の場合,②は外出OKですが,⑵の場合は②は外出は自粛しないとダメなわけです。つまり,⑴の場合の方が外出してもいい範囲が広いんです。

 法律用語辞典(そもそも法律用語なのかあやしいが)が手元にないので,広辞苑によると,不要不急とは,「どうしても必要というわけでもなく,急いでする必要もないこと。」と説明しています。この書き方すると,不要かつ不急ということのようですネ。

 ♪ウカスカジー「My Home」(アルバム:AMIGO収録)

2020-04-07

緊急事態宣言が出されたら,休業手当の支払義務はなくなる?

 2020年4月7日,新型コロナウィルスの爆発的な感染拡大により,新型インフルエンザ特措法に基づき緊急事態宣言が出させることになります。
 緊急事態宣言により,外出自粛要請,商業施設や娯楽施設等の幅広い業種での休業要請ができるようになります。
 そんな中,一部,報道によると,緊急事態宣言後に休業要請に従い,休業した場合,休業手当を支払わなくていいと厚労省が見解を出しているそうです。

 休業手当に関しては,新型コロナウィルスによる出勤停止と給与の支払で少し触れています。
 休業手当は,使用者の帰責事由による休業の場合に,労働者に平均賃金の60%以上の手当の支払いを義務付け,労働者の最低限の生活を保障するものです。
 そもそも,民法上,使用者の帰責事由によって,労働者の労務提供債務が履行不能になった場合,給与全額を支払う必要があります。この休業手当の支払義務は,民法上の帰責事由をより広く認めるものと解されています。
 つまり,使用者に故意・過失がなくて,使用者に防止することが困難なものでも,使用者側の領域で生じたものといえる経営上の障害も帰責事由に含まれます。
 で,休業手当の支払が必要になる帰責事由の一つとして,「督官庁の勧告による操業停止」が挙げられています。
 とすると,緊急事態宣言後の休業要請は,監督官庁の勧告による操業停止に該当するようにも思えます。もっとも,巨大な地震や大型の台風といった不可抗力は,帰責事由に該当しません。新型コロナウィルスが不可抗力に当たるとするなら,休業手当の支払義務はなくなります。ただ,新型コロナウィルスを不可抗力と位置付けるなら,緊急事態宣言の前後で区別するのはおかしいということになります。

 って書いてたら,厚労相が,緊急事態宣言が出ても休業手当の支払義務を一律で除外するわけではないと表明しました。ここまでの労力はなんだったんだ…
 一言付けたしておくと,新型コロナウィルスが不可抗力に当たるとしても,在宅勤務ができる(頑張ったらできる場合も含む)にもかかわらず,在宅勤務をさせず漫然と休業させたら,休業手当を支払う必要があります
 

 ♪Mr.Children「さよなら2001年」(アルバム:B-SIDE収録)

2020-04-04

平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法を改正しないと

 新型コロナウィルスの影響で,2020年東京オリンピック・パラリンピックが1年延期されました。ということは,法律を改正しておかないとダメですねという話しです。

 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法(以下,「オリンピック特措法」という。)という法律があります。 オリンピック特措法32条に祝日に関する規定があります。

 例年,7月と8月の祝日は,祝日法で以下のように規定されています。
 海の日:7月の第3月曜日
 山の日:8月11日
 でもって,スポーツの日が10月の第2月曜日と規定されています。

 ところが,2020年は,東京オリンピックが開催されるので,祝日をいじろうということで,オリンピック特措法32条で1年限定で祝日をこんな感じでいじります。
 海の日:7月の第3月曜日→7月23日
 山の日:8月11日→8月10日
 スポーツの日:10月の第2月曜日→ 7月24日

 オリンピックの開会式,閉会式の前後を祝日にしたんですね。でも,東京オリンピック・パラリンピックが1年延期されるので,今年に関しては,もはや祝日をいじる必要がないわけです。ということは,オリンピック特措法を改正することになるんでしょうね,おそらく。もっとも,山の日は,飛び石連休になるから,8月10日のままでのいいような気もしますが…
 そうすると,カレンダーには,すでにオリンピック特措法に基づく祝日表記がされているので,法改正があると注意しないとダメですね。

 ♪BUMP OF CHICKEN「ホリデイ」(アルバム:present from you収録)

2020-03-28

民法の短期消滅時効が廃止されたら,賃金請求権の消滅時効は3年になった

 民法の債権法が改正され,2020年4月1日から施行されます。いろいろ改正されてますが,消滅時効についての改正が大きな改正の一つと言えるでしょう。

 現行の民法は,債権の消滅時効の期間を10年とし,それよりも短い期間で消滅時効にかかる短期消滅時効制度を採用していました。たとえば,月またはこれより短い時期で定めた使用人の給与債権は,1年で消滅時効になります(174条1項)。
 しかし,それでは,労働者の保護に欠けるということで,労基法115条で賃金請求権の消滅時効を2年と民法より長期の時効期間として,労働者の保護を図っていました。つまり,一般法の民法より,特別法の労基法の方が消滅時効の期間を長くしていたのです。

 債権法の改正で,この短期消滅時効が廃止されて,債権の消滅時効は一律,①主観的起算点から5年,②客観的起算点から10年と統一されました。債権法改正の時点では,労基法115条が改正されませんでした。その結果,特別法である労基法の方が,一般法である民法よりも消滅時効の期間が短いという逆転現象が起きました。

 そんな中,3月27日に,ようやく改正労基法が成立しました。賃金請求権の消滅時効は5年になると思いきや,3年になります。2020年4月1日以降に発生する賃金は,消滅時効期間が3年になります。
 あれ,逆転現象が解消されてない…なんでも,使用者側から賃金台帳を長期間保管する負担が重い等の意見が出て,それを反映したそうです。労基法では,賃金台帳の保管期間が3年なんで,3年ならいいだろうと。
 一応,当面の間の措置で,5年後に見直すことにはなってるんですが,訴訟になったら,争われるんじゃないかと思いつつも,理論構成がなかなか難しいなと。

 ♪Mr.Children「さよなら2001年」(アルバム:B-SIDE収録)

今さらながら,都構想の根拠法を見ておこう

  大阪市を廃止し特別区を設置するいわゆる大阪都構想の2度目の住民投票が11月に行われます。前回の住民投票は僅差で否決されましたが,今回はどうなるんでしょうか?  そんな大阪都構想の是非は,いったん置いといて,その根拠となっている大都市地域における特別区の設置に関する法律の条文を...