2009-05-26

法律家のヒヨコは羽ばたくのか!?⑫

 ここのところ,2日続けて更新するなんてことがなかったんですが,今日は書かずにはいられないことがあったので,更新することにします。
 今回のテーマは,検察官(以下,「P」という)の対応を批難するです。

 裁判員に選ばれればれたり,法廷に傍聴に行けばよく分かりますが,刑事事件のほとんどは,自白事件です。つまり,被告人が犯人であることを争わないし,犯罪が成立することも争わない事件がほとんどです。
 そんな自白事件で,弁護士(刑事では弁護人と呼ばれる)のすることは,情状弁護と呼ばれるものです。なんとなくは,想像できるんじゃないかと思いますが,被害者と示談したり,情状証人を呼んで被告人の監督を約束してもらうとか,その他被告人にとって有利な情状を引き出すのが,情状弁護です。

 で,そんな情状弁護ですが,被害者のいない犯罪では,被告人に,贖罪寄付をさせたりすることがあります(もちろん,被告人に贖罪寄付の意義を説明した上で行う)。贖罪寄付をすると,寄付をしたことの証明書だったり,感謝状がもらえます。なので,それを裁判所に証拠として提出するわけです。
 ところが,今回,Pが贖罪寄付関係の書証を不同意にする!とか,わけのわからないコトを言ってきました。なぜに,不同意にする必要があるのか,Pの説明からは,よくわかりません。P曰く,贖罪寄付の効果(?)に疑問があるそうで・・・
 だったら,それは,論告の中で主張すべき問題だし,証拠意見としても「必要性なし」でいいんじゃないか?と思うわけです。それを不同意って・・・

 そもそも,Pは公益の代表者として訴訟を遂行すべきであるので,被告人に有利になるようなコトもすべきであるハズです。情状証人を本気でつぶしにかかるPに疑問を感じたり,あるいは逆に,被告人質問で被告人に有利な情状を引き出してくれるPに好感が持てたり・・・というのが一般の感覚ではないのでしょうか?これはすでに,弁護士の感覚なのか?

 ♪YUI「Am I wrong?」(アルバム:I LOVED YESTERDAY収録) 

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