2011-07-13

大枚はたいて羽ばたけるか?⑨

 法曹養成に関するフォーラムの第3回会議が本日行われました。今日の会議で司法修習終了者の経済的な状況に関する調査の集計結果が公表されました。

 この調査は,前に,青天霹靂にわか雨でも取上げた調査です。公表されたのは良かったんですが・・・という結果になってしまいました。
 ざっと,結果を見ると,弁護士6年目の平成22年の平均所得は1073万円でした。弁護士6年目から15年目までの平成22年の所得額の分布では,600万円以上が79%でした。これだけ見ると,やっぱ弁護士儲かってるじゃないか!ってコトになりますよね・・・
 参考として,平成22年の大学・大学院卒者の平均給与が挙げられてます。これによると,勤続5~9年で502万円です。民間企業の平均給与額も挙げられてますが,勤続5~9年で360万円です。
 なので,やっぱ,弁護士儲かってるじゃないか!!と言われるのは,必至ですネ。この結果の出し方は・・・
 法科大学院の奨学金の調査も同時に行われましたが,ざっくりと数字を挙げておきます。利用率は48.3%で,合計平均額は347万円毎月の返済額が2万1000円でした。
 ちなみに,修習中に,貸与制で満額借りると,合計300万円,毎月の返済額が2万5000円になります。奨学金と合わせると月4万6000円の返済に,弁護士会費が,新人はちょっと安いんで,月3万円くらいだったと思います。なので,貸与制になると月7万6000円くらいが毎月飛んでいきます。即独するには,辛すぎる金額ですネ。

 調査結果で気になったのは,過去5年間の経験年数別の収入・所得の推移という項目があります。平成18年を100とした場合の指数を表してるんですが,弁護士1年目の平成22年の指数は74と順調に下がってます。というか,急激に下がってます。
 ちなみに,参考で挙げられてる大学・大学院卒男子―になぜか限定されている―の平均給与は,平成22年が94とほとんど下がってません。民間企業の平均給与額も平成21年―平成22年は挙がっていない―は93です。

 新人弁護士の収入は,急激に下がっているにもかかわらず,司法修習の給費制を止めて,貸与制の導入,すなわち,負担増の方向に持っていくというコトで今後,議論が進むことになるようです。ちなみに,前もちらっと書いたんですが,回答率が収入調査は13.4%,奨学金調査が25.9%だったコトは思いっきり考慮しないとダメなんですが,果たして考慮されてるんだか・・・回答者は,収入普通に高いんですって!ってコトを考慮してないんだとすると,こんなフォーラムとっとと止めたらいいのに

 ♪Mr.Children「言わせてみてぇもんだ」(アルバム:シフクノオト 収録)

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