2010-12-04

法律家の卵の産み方⑨

 法律の学び方をつらつらと書いていくコーナーも何だかんだ言って9回目を迎えました。各論編の6回目の今回は,六法最後の科目,刑訴こと刑事訴訟法の学び方です。

 刑訴の基本書はいろいろ出てます。が,刑訴って,学説と実務のかけ離れっぷりがハンパない科目です。
 学者が書いてる基本書では,田口守一「刑事訴訟法」(弘文堂)が一番無難な本だと思います。かつては,田宮裕「刑事訴訟法」(有斐閣)がスタンダードだったんじゃないかと思います。が,田宮先生が亡くなられて改訂がされなくなったんで,田口先生がスタンダードに。まぁ,田宮説って独特なトコもあるんでその辺も影響してるのかも。
 個人的なおススメは,「刑事訴訟法講義案」(司法協会)です。読みやすいのとわかりやすいトコがいい感じです。訴因の説明で,鴨川のたとえって,初学者には,わかりにくいんですよネ。そこんトコもこの本はわかりやすいです。また,判例の引用がハンパないです。ただ,事案までは書いてないんで,結局,判例集に当たらないとダメなんですけどネ。
 この本の欠点として,よく言われるのが,捜査の部分が薄いというトコです。まぁ,確かに薄い感は否めませんが,極端でもないんじゃないかと。そこんトコを補うなら,池田修・前田雅英「刑事訴訟法講義」(東京大学出版会)ですネ。
 刑訴で使うなら,どっちかか両方というのが,実務よりでいいんじゃないかと。良い悪いは別として,やっぱり判例実務が出発点だと思うんで。

 ♪Mr.Children「ランニングハイ」(アルバム:I ♥ U収録)

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