2015-12-23

何だか良さげな気がする

 弁護士になってから,民事事件の方が比重が多く,あんまり刑事事件はやってません。が,今,進行中の事件で,刑法総論の知識が必要になってしまい,今頃になって,刑法総論の基本書を改めて買うことにしました。

 受験中は,結果無価値の基本書を使ってましたが,判例実務は,結果無価値じゃないので,今や使えないということで,行為無価値ベースの本を探してました。
 で,捜査実例中心刑法総論という本を見つけました。この本,何だか,良さげな気がする。全体で700ページを超えるんで,あくまで,必要な箇所だけ読んだ上での印象ですが。

 著者は,元検察官で,判例実務の立場で,警察官や検察事務官等の捜査官を第一の対象読者として書かれています。
 なので,全体的に,捜査に当たっての検討事項・捜査上のポイント・捜査事項について言及しています。というか,これがメインです。これは,他の基本書にはない視点です。この捜査に当たっての検討事項や捜査事項は,答案構成にそのまま使えるんじゃないかと思ったりもします。
  実際に捜査を担当する捜査官が使えるようにということで,学説への言及は必要最小限にとどめてあり,学説マニアに陥ることもないでしょう。刑法総論の基本書の最初の方に書いてある学派の争いとか出てきません,たぶん。
 全体的に,設問・設例を解説するというスタイルを取っているので,抽象的な刑法総論を具体的にイメージしやすいように書かれています。また,各項目について,犯罪論の体系のどこの話しをしているのかが常に冒頭で示されています。
 全体で700ページを超えますが,辞書的な本ではなく,あくまでも基本書という本です。刑法総論が苦手な学生は読んでみるといいかもしれません。

 受験時代に,この本の存在を知ってたら,メインで使ってたかもしれないと思うほど,良さげな感じです。

 ♪Mr.Children「ラララ」(アルバム:DISCOVERY収録)

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