2015-12-12

そろそろ運用を統一してほしいんだけど

 民事訴訟で,証拠(書証)を提出する場合は,原則として,証拠説明書を併せて提出する必要があります。証拠説明書には,①文書の標目,②作成者,③立証趣旨を明らかにする必要があります(民訴規則137条1項)。また,書証が原本なのか?写し?なのかも明らかにしています。

 大抵の文書は,特に問題はありません。が,ホームページをプリントアウトした文書とかメールをプリントアウトした文書とかを書証として提出する場合,作成者が誰なのか?原本なのか?写しなのか?という問題にぶち当たります。

 ホームページをプリントアウト文書について,大阪地裁の証拠説明書の書き方は,以下のように説明しています。
 
 作成者は,ホームページの管理者(?)で,原本として提出する。
 
 ところが,同じ大阪地裁の知財部は,証拠説明書例で,作成者をプリントアウトした人で,原本として提出すると記載されています。

 同じ大阪地方裁判所なのに,運用が統一されていないわけです。大阪地方裁判所は,どちらも単に結論だけを記載していますが,ある地裁は,なぜ,そう解釈するのか?を説明しています。
 これによると,①インターネットには匿名性がある,②ホームページは更新されることが予定されている,ことから印刷した書面を原本として申出することが適当であると考えられる。なので,作成者は印刷者ということになると。

 上記のどちらで記載しても裁判所がスルーしてくれれば,別にいいんですが,たまーに,証拠説明書を訂正させる裁判官がいるんで,運用をいい加減統一しておいてほしい!

 ♪Mr.Children「掌」(アルバム:シフクノオト収録)

0 件のコメント:

今さらながら,都構想の根拠法を見ておこう

  大阪市を廃止し特別区を設置するいわゆる大阪都構想の2度目の住民投票が11月に行われます。前回の住民投票は僅差で否決されましたが,今回はどうなるんでしょうか?  そんな大阪都構想の是非は,いったん置いといて,その根拠となっている大都市地域における特別区の設置に関する法律の条文を...