2010-08-18

大枚はたいて羽ばたけるか?③

 1年間の司法修習の薄っぺらい思い出は,主だったところは書き尽くした感があるんで,過去を振り返らずに,現在または将来に目を向けることにします。別に,ヴァイツゼッカーの考えに異論があるんじゃないんです。過去に目を閉ざしてるわけではありません

 閑話休題。現在又は将来の司法修習に関する最大の関心事は司法修習生に対する給費制が貸与制になってしまうコトですネ。今さら感は否めませんが,日弁連が反対キャンペーンを繰り広げています。
 日弁連の主張では,貸与制に移行することで金持ちしか法曹になれないじゃないか!?という一点に集約されてしまっている気がします。この点,青天霹靂にわか雨では,弁護士になるには金が要るんだとか,司法修習が始まるにあたって金が要るんだという主張を展開してきました。
 が,ポイントはそこじゃないんじゃないのか?と最近思ってきました。金持ちしか法曹になれないっていうのは,世論を喚起できるだけの説得力がないと思います。

 そもそも,貸与制になるのは,①国の財政がピンチなんで,国家公務員ではない修習生に給与なんて払ってられるか!?と②法曹資格は個人の資格なんだから必要経費は個人で負担したら?という2点にあるようです。
 気になるのは②です―①も気になるが―。法曹資格って個人資格だと割り切れるのか?ということです。弁護士だけではなくて,裁判官や検察官という国家公務員になる修習生もいます。さらに,実際の運用は別として日本でも制度としては法曹一元制を採用しているハズ―憲法,裁判所法,検察庁法の規定からそう考えられる―なので,弁護士も裁判官や検察官になることが制度上は予定されています。そうすると,単なる個人の資格だと言いきれないのでは?
 あと,大体的に主張されてませんが,弁護士の公益活動がまったく評価されていないことは遺憾です。弁護士の公益活動に対して,それ相応の報酬が支払われるならまだしも,そうでない以上は,公益活動の担い手でもある弁護士の養成を修習生個人の経費で賄えというのは,酷です。

 と,つらつらと書きましたが,すでに既定路線になっていて,日弁連の反対キャンペーンは時機に後れてる―誤字ではない―のが残念です。というか,貸与制を前提にした修習生の支援についても実施していかないとダメなんですけどネ,日弁連としては。そこんとこって,何か検討してるんでしょうか?

 ♪BUMP OF CHICKEN「ギルド」(アルバム:ユグドラシル 収録)

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