2018-10-16

ない袖は振れないけれど,ない袖探す武器を持つ

 2018年8月31日,法務省の法制審議会で民事執行法の見直しに関する要綱案が取りまとめられました。
 まだ法案にもなってないし,相続法改正もフォローしてないけれど,要綱案の概要を備忘録としてまとめておきます。

(1)財産開示
 執行証書でも財産開示の申立てができるようになり,開示義務者の罰則が強化されます。

(2)第三者から債務者財産に関する情報の取得
 改正法で新設される制度です。執行裁判所が債務者の財産に関する情報を提供するように命じることができます。この制度により,強制執行の実効性が高まることが期待されます。
 ①登記所に対する不動産に関する情報→財産開示を先行
 ②市町村,年金機構等に対する債務者の給与債権に関する情報→生命・身体の侵害による損害賠償請求,養育費請求権等扶養義務に係る定期請求権のみ
 ③銀行に対する預金債権に関する情報
 上記の第三者から提供される情報は,執行裁判所から申立人である債権者には,書面の写しが交付されます。債務者には,情報が提供された旨が執行裁判所から通知されます。

(3)子の引渡し
 子の引渡しに関する条文が新設されます。間接強制が前提で直接強制は,間接強制が奏功しない場合に限られることになります。また,直接強制を実施するには,原則,債務者を審尋しなければなりません。
 また,ハーグ条約に基づく子の返還の強制執行の規定が見直されます。

 ♪Mr.Children「擬態」(アルバム:SENSE収録)

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