2016-12-18

全治2週間と言われても軽症とは限らない

 某芸能人が,交通事故を起こし,そのまま逃走したということで,ニュースになっています。その芸能人は,無期限で活動自粛中ですが,早ければ2月にも復帰かなどと報じられています。

 もちろん,復帰は,刑事処分の確定後ということになるのでしょうが,被害者と示談できれば,起訴猶予になるんじゃないかという思惑があるようです。

 報道によると,被害者は,首と腰に全治2週間程度の傷害を負ったとのことですが,この2週間というのは,警察に提出した診断書にそう書いてあったんでしょう。警察に提出する診断書は,あんまり当てになりません
 もちろん,受傷部位は,そのとおりなんですが,全治は,よっぽどの事故ではない限り3週間未満とされます。全治3週間以上の事故になると,警察が捜査を詳しくしないといけないので,その辺の兼ね合いもあり,全治2週間程度の診断書になります。

 もう少し詳しい報道によると,被害者は,頸椎捻挫と腰椎捻挫の傷害を負ったとのことです。いわゆるムチウチです。2週間で治療が終わることは,まずなくて,だいたい3か月くらいはかかることが多いです。事故直後から神経症状を訴えていると,治療が終わるまで6か月症状によっては,後遺障害が残存することもあります。

 仮に,後遺障害が残存するような症状であれば,2月に示談は,とてもできないでしょう。もちろん,後遺障害が残ったと仮定して,後遺障害部分の損害も含めて示談金を支払うとかいうことなら,示談の可能性はありますが。ただ,そんな示談をすると,保険金がでないでしょう。

 というか,任意保険には入ってるのでしょうから,あとは保険会社が示談代行をするので,保険会社としては,余計なことをしてほしくないはずなんですけどね。

 ちなみに,この話しの寓意は,全治2週間の診断書であっても決して軽傷とは限らないということです。

 ♪Mr.Children「ROLLIN' ROLLING ~一見は百聞に如かず」(アルバム:REFLECTION {Naked}収録)

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