2016-06-04

どのタイミングで持ち出すのか難しいといっても過言ではない

 刑の一部執行猶予制度が始まりました。さっそく,千葉地裁・大阪地裁・名古屋地裁一宮支部で一部執行猶予の判決が言い渡されたようです。

 千葉地裁は,「被告人を懲役2年に処する。その刑の一部である懲役6月の執行を2年猶予する」的な主文になった模様。
 この判決が確定すると,まず,1年6か月,刑務所に収容されます。その後,釈放されて取り消されることなく2年経過すれば,1年6か月の懲役刑に減刑されます。要するに,6か月分は刑務所にいかなくてもいいことになります。

 上の例からわかるように,刑の一部執行猶予は,あくまでも実刑判決です。なので,弁護人が弁論で刑の一部執行猶予を求めるのは,どんなケースになるんだろう?とちょっと考えてます。
 また,めんどくさいのが,①刑法上の一部執行猶予と②薬物法上の一部執行猶予の2種類あって,それぞれ要件が異なるということ・・・
 特に,②薬物法は,前科要件がないんで,法律上は何度でも一部執行猶予の余地があるということ。

 ちなみに,すでに言い渡された千葉と大阪は,いずれも執行猶予中の犯行だったようです。ということは,執行猶予中の犯行で,再度の全部執行猶予は,軽すぎるけど,全部実刑というのも酷じゃない?みたいなケースになってくるんだろうか?
 
 う~ん,論理的に考えると,最初は,①全部執行猶予か②実刑かの二択。で,①全部執行猶予なら,それで終了。問題は②実刑を選択した場合。この場合は,次に③一部執行猶予か④全部実刑かの二択になるわけだ。解決はしてないけど,だいぶ絞れてきたような気がする。

 ♪Mr.Children「ラララ」(アルバム:DISCOVERY収録)

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