2009-06-09

そこに意思はあるのか!?-法律29-

 6月になってから,なんだか疲れてる感がある今日この頃ですが,ひさびさに更新せずにはいられないニュースを見て(読んで)しまったので,更新することにしました!

 そのニュースとは,秋田地裁の某裁判官が判決言渡し時に検察官の求刑を間違えて判決を言い直すという前代未聞の裁判がありました。
 前代未聞なのは,もちろん,検察官の求刑を聞き間違えたことではなく,判決を言い直したことです。まぁ,検察官の求刑を間違えることも通常の訴訟手続ではありえないですが・・・

 当初の判決では,懲役1年6月の求刑だと思っていたので,懲役1年2月(実刑)と懲役1年6月(執行猶予4年)を言渡しました。が,ここで検察官から刑が軽すぎるとの指摘があったそうで,30分の休廷後に,求刑2年6月に対し,懲役2年(実刑)と懲役2年(執行猶予4年)の判決を言渡したそうです。

 そもそも,この裁判官は,判決の起案をしているときに,最初に言い渡した刑が妥当だと判断したハズで,だったら,求刑を間違っていようが何しようが,そのまま言渡すべきだったのです。それなのに,この裁判官は・・・
 検察官の求刑なんて,一方当事者の意見なわけですから,そんなに重視する必要性はないハズです。だったら,弁護人の弁論を聞き間違えた場合も判決の言い直しをしてくれるのか?という疑問が・・・

 この裁判は,どう考えても,検察官が控訴すればよかったんであって,法廷で刑が軽すぎるとか血迷ったことを検察官が言ってしまうと,判決で言い渡される刑に関して,検察官と裁判官で何らかの密約があるのでは?とかいうあらぬ誤解を受けてしまうんじゃないかと危惧してます。よく,求刑の8掛けとか言われたりしますが・・・

 こんなことがあると,やっぱり裁判員裁判は必要なんじゃないかという方向に働きますよね。

 ♪Mr.Children「傘の下の君に告ぐ」(アルバム:BOLERO収録)

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