2010-07-03

日本国憲法の仕掛け

 W杯が佳境に入っています。日本代表の思わぬ大活躍―といっても過言ではないと思う―で,盛り上がりをみせました。
 そんなW杯にすっかり隠れてしまいましたが,実は参議院選挙活動の真っただ中だったんですネ。どこもかしこも似たり寄ったりの政策だったりでボヤっとしてるんで,有権者の関心もそんなに高くなさそうな選挙ではありますが・・・

 それはそうと,最近,憲法改正の話がすっかり話題にならなくなりました。水面下で進められてるとしたら,怖いですが・・・国民投票法に反する違法状態が続いてるんで,それはないと思われますが。
 そんな日本国憲法ですが,とある仕掛けが施してあることは,あまり知られていません―学校で教えてくれないのが原因?―。

 憲法の議論の中に,過去の主権者(国民)が将来(未来)の主権者を拘束できるのか?なんて議論があったりします。
 しかし,日本国憲法においては,将来の主権者は過去の主権者には一切,拘束なんてされていません。それは,日本国憲法にある仕掛けが施されているからです。
 
 突然ですが,ここで,問題です。次の括弧にあてはまる言葉を入れて文章を完成させよ(10点)

 日本国民は、~以下,略~ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を( )。

 これは,日本国憲法前文の第一段の文章です。日本国民は,憲法をどうしたんでしょうか?普通に考えると,「憲法を制定した」んでしょう。文章的にもばっちりです。
 ですが,不正解です。正解は,「憲法を確定する」んです。確定なんて言葉,知らないと出てきません。しかも,「確定する」って現在形だし。

 ここに,日本国憲法の施した仕掛けがあります。つまり,主権者である我々,日本国民はこの憲法―日本国憲法―を確定しているのです。今,この瞬間も確定しているし,1秒後,1日後,10年後も確定しているんです。
 つまり,日本国憲法の内容は,現在の主権者である国民によって常に確定されています。なので,過去の主権者に拘束なんてされてません,自分たちで確定しているんです。内容が気に入らなければ,改正すればいいんです―ハードルは高いケド―

 これが日本国憲法の施した仕掛けです。だから何だ?と思われる人が多数でしょうが,これって,実は重要なコトなんだと思います。普通,確定は出てこないって。

 ♪Bank Band「奏逢 ~Bank Bandのテーマ~」(アルバム:沿志奏逢 3収録)

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