2011-04-30

法律家の卵の産み方⑭

 法律の学び方を紹介するというコンセプトで始まったにも関わらず,科目別になったとたんに,グダグダ感が出てきてしまいました。
 そんな科目別もほぼ書き尽くした感があるので,1年くらい続いたこのコーナーも締めくくってみようと思います。とはいえ,最後の最後に受け売りで締めるんですけどね・・・

 法律の学び方とか言ってますが,結局,何のために法律を学ぶのか?という根本を見誤ると,うまくいきません。そもそも,大学の法学部を卒業しても法律家―準法律家も含めて―になる人よりも,そうでない人の方が人数としては多いはずです。
 そこんトコをわかりやすく書いているのが,末弘厳太郎「新たに法学部に入学された諸君へ」というそのまんまのタイトルの本―なのか,論文,寄稿なのかは不明―です。

 末弘先生が言うには,法学教育の目的というのは,「法律的に物事を考える力」のある人間を作ることを目的にしています。その「法律的に物事を考える力」というのは,「物事を処理するに当たって,外観上の複雑な差別相に眩惑されることなく,「一定の基準を立てて規則的に事を考えるのことです。
 抽象的で一見すると,わかりにくいですが,要は,法律の理念は,平等と公平ですから,物事の解決に当たっても平等と公平に処理をできる能力ということなんでしょうね。
 で,結論的には,講義を聞いて,「法律的に物事を考える力」を身に着けようぜ!ってコトになんですけどね。そこは,学者ですから・・・

 そういえば,法学部に入学して最初の方に,そんな話を聞いた記憶が・・・もっとも,そんな力がちゃんと,身に付いているかどうかといえば,あんまり自信がないわけですが・・・自分をフォローする―必然性はまったくないのだが―と,末弘先生が言うには,知らず知らずに身に付いてるそうなんで。

 ♪Mr.Children「傘の下の君に告ぐ」(アルバム:BOLERO収録)

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