2016-10-16

はじけたバブルは元に戻らないといっても過言ではない

 最近は,めっきりネガティブな話題しかない弁護士業界ですが,数年前は,バブルにわいてました。いわゆる過払金バブルってやつです。
 ところが,このバブルもはじけてしまい,過払金の次に来るのは,残業代請求なんじゃない?と言われて,もう数年というのが実感です。つまり,残業代請求は,バブルにはならないんです!

 そもそも,過払金バブルがやってきたのは,こんな感じで処理できたからなんです。
 ①貸金業者に取引履歴の開示義務がある。→通知すれば開示してもらえる。
 ②開示された取引履歴は,ほぼ間違いない。→そのまま計算すればいい。
 ③利息制限法の引直し計算の方法は一定→事務員で計算できる(エクセルに入力すればいい)
 ④争点になる点はあるけど,請求すれば,まぁ,まず負けない。→ちゃちゃっと訴訟すればいい。
 ⑤大手貸金業者の資力を気にすることはない。→取りっぱぐれることはない。
 
 それに引き替え残業代請求はというと・・・
 ①使用者に労働時間を管理してる資料の開示義務はない。→でも出てくるけど。
 ②っていうか,そもそも労働時間を使用者が管理してない。→これはきつい・・・
 ③開示されたタイムカード等が実態と違うことがある。→これもきつい・・・
 ④会社によって,給与の締日や所定労働時間が異なる。→弁護士が計算しないと・・・
 ⑤給与に固定残業代を含んでるとか,○○手当は残業代の趣旨で払ったとか争点がいろいろ出てくる。→他の従業員との関係ですぐに和解できない・・・
 ⑥資力のない使用者がいる。→こればっかは,どうしょうもない。
 
 ということで,残業代請求は,手間がかかる割に,取りっぱぐれることがあるんです・・・最近,なぜか,これからは残業代バブルだなんて記事が出ててます。その中で,弁護士が内容証明か電話ですぐ解決とか言ってますけど,ちゃんとやったことないんじゃない?この弁護士と思っています。
 もちろん,依頼があれば,受任しますが,すんなり解決した方が少ないなぁ~というのが実体験です。特にトラック運転手の残業代請求なんか・・・

 ♪Mr.Children「アンダーシャツ」(アルバム:DISCOVERY収録)

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