2011-04-24

なんだかんだ言って検察官に!

 司法試験を経ずに法曹になろうというコトで,弁護士と裁判官について触れましたが,最後に検察官についてです。

 検察官の任命資格については,検察庁法に規定があります。裁判官と同様に,検察官にも種類がありますが,そこんトコはあまり重要ではないのでここでは触れません。
 まず,二級検察官の任命資格についてです。
 

 第十八条  二級の検察官の任命及び叙級は、左の資格の一を有する者に就いてこれを行う。
 司法修習生の修習を終えた者

 裁判官の職に在つた者

 三年以上政令で定める大学において法律学の教授又は准教授の職に在つた者

 同じ18条なんですが,2項以下は,副検事についての規定です。司法試験を経ずに検察官になる王道です。

   副検事は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者で政令で定める審議会等(国家行政組織法 (昭和二十三年法律第百二十号)第八条 に規定する機関をいう。)の選考を経たものの中からもこれを任命することができる。
 裁判所法 (昭和二十二年法律第五十九号)第六十六条第一項 の試験に合格した者

 三年以上政令で定める二級官吏その他の公務員の職に在つた者

 3  三年以上副検事の職に在つて政令で定める考試を経た者は、第一項の規定にかかわらず、これを二級の検事に任命及び叙級することができる。

 検察事務官から副検事になるのが,一般的ですが,規定上は,検察事務官に限定されていません。修習中中に,麻取から副検事にという話を聞いたことがあります。で,副検事になると検事になる道が用意されています。いわゆる特任検事ですね。有名どころでは,赤かぶ検事―フィクションだが―が特任検事だという設定だったと思います。

 次に,一級検察官の任命資格についてです。

 第十九条  一級の検察官の任命及び叙級は、次の各号に掲げる資格のいずれかを有する者についてこれを行う。
 八年以上二級の検事、判事補、簡易裁判所判事又は弁護士の職に在つた者

 最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官又は判事の職に在つた者

 前条第一項第一号又は第三号の資格を得た後八年以上法務省の事務次官、最高裁判所事務総長若しくは裁判所調査官又は二級以上の法務事務官、法務教官、裁判所事務官、司法研修所教官若しくは裁判所職員総合研修所教官の職に在つた者

 規定上は,弁護士から検察官になることが想定されていますが,弁護士任検―検察官になることをそう言う―は制度としてはないんですよねぇ~日弁連も弁護士任官―裁判官になることをそう言う―ほど―というか,まったく―に力を入れてません。

 というコトで,司法試験を経ずに,法曹になる道は用意されてはいますが,地元の人も知らないような脇道で,どこにあるんだかよくわからないという感じです。
 法律上は,法曹一元制を予定していながら,ほとんど機能してないというものどうかなぁ~裁判官―検察官は知らないが―が弁護士の職務を経験するってコトは結構,やってるんですよね,あと判検交流もそこそこやっていて,弁護士から裁判官,検察官のルートが・・・一方通行すぎやしないか?

 ♪Mr.Children「Another Story」(アルバム:HOME収録)

0 件のコメント:

今さらながら,都構想の根拠法を見ておこう

  大阪市を廃止し特別区を設置するいわゆる大阪都構想の2度目の住民投票が11月に行われます。前回の住民投票は僅差で否決されましたが,今回はどうなるんでしょうか?  そんな大阪都構想の是非は,いったん置いといて,その根拠となっている大都市地域における特別区の設置に関する法律の条文を...