2011-04-12

遊び心では済まされない?

 検索エンジンでグーグルを使ってると,たまに遊び心が検索結果に表れます。「人生 宇宙 すべての答え」と検索すると,42―電卓機能だが―と表示されたり。
 そんなグーグルで「菅 有能」と検索すると・・・いやいや,風刺が効いてるというのか,なんというのか・・・いわゆる「もしかして機能」が働いて,もしかして「菅 無能」と表示されます。

 これって,「菅 無能」で検索してる人が多いダケなのか,それとも・・・グーグルのもしかして機能って,結構,意図的だったりするんで,確信犯―使い方間違ってますが―だったりして?
 という話は,結構,ネットでも話題になってるんで,いいとして,これってまずくないか?というのが本題です。要は,侮辱罪が成立するんじゃないかと。
 
第二百三十一条  事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

 というのが,刑法の条文です。ポイントというか,名誉棄損罪との違いは,事実を摘示をするかどうかです。名誉棄損罪が成立するには,具体的な事実の摘示が必要です。単に無能っていうのは,具体的事実ではないので,名誉棄損罪ではなく,侮辱罪が成立します。
 名誉棄損罪と侮辱罪とのもう一つの違いは,不処罰規定があるかどうかです。名誉棄損罪は,一定の場合は,処罰されないんです。

 
第二百三十条の二  前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

 名誉棄損罪の成否を論じるとしても,グーグルのもしかして機能に公益を図る目的があるのかどうかは疑問ですが・・・ってか,グーグルって法人なんで,犯罪の行為主体になりえないんですけどね。ということをわかってながら,不毛な議論を展開していたわけで・・・
 今回のケースが遊び心なのか,ちゃんとした機能が働いてるからなのか,わからないトコがあるんで,ちょっと書いてみました。

 ♪Mr.Children「口がすべって」(アルバム:SUPERMARKET FANTASY収録)

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