2010-11-10

法律家の卵の産み方⑦

 法律の学び方を書いていくシリーズの7回目です。各論編になってから,内容がかなり薄くなった気がしなくはないですが,乗りかかった船なので。
 各論編の4回目―だと思う―の今回は,商法と民訴と迷いましたが,民訴にします。ってことで,民訴の学び方です。

 民訴こと民事訴訟法は,眠素と揶揄されるほど,勉強していて―講義を聞いてて?―面白くない科目の一つです。とはいえ,民訴も奥が深い―個人的には,手続法に論点が存在してはいけないと思っている―んですけどネ。
 で,民訴を勉強しだすとわかるんですが,訴訟物の理解について,旧訴訟物理論と新訴訟物理論の対立があります。学会通説は,新訴訟物理論なんですが,判例実務は旧訴訟物理論に依っています。なので,新訴訟物理論の立場の基本書は結構あるんですが,旧訴訟物理論の立場の基本書ってあんまりないんですよネ。
 そんな状況なんで,司法協会の「民事訴訟法講義案」が割と人気でした―現在系?―。ただ,この本は,裁判所書記官―を目指してる事務官?―を対象にしてるんで,実務の細かい点についても触れられてますが,そこんトコは,学生には余計なんです。
 そんな民訴に待望の基本書が登場しました。藤田広美「講義民事訴訟法」(東京大学出版会)です。実は,前述の講義案の著者だそうです。民訴の基本をわかりやすく書いてくれてます。要件事実の言及があるトコもポイントが高いです。
 民訴は奥が深いと書きましたが,マジで勉強するには,高橋宏志「重点講義民事訴訟法」(有斐閣)は必読です。上下巻あるんで,分量はハンパないですが,かなり読みやすいですし,民訴に目覚めます

 ♪Mr.Children「渇いたKiss」(アルバム:IT'S A WONDERFUL WORLD収録)

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