2010-11-06

法律家のヒヨコは,羽ばたきたいのに足かせが・・・②

 前回は,「及び」と「並びに」の使い分けについて書きました。同じ問題は,「又は」と「若しくは」にも存在します。ってなわけで,第2段は,「又は」と「若しくは」の使い分けです。

 基本的なルールは,「及び」と「並びに」の使い分けと一緒です。要は,法文中の用法と同じ扱いをします。
 名詞等を選択的に並列する場合に,2個のときは,常に「又は」で結びます。a又はbです。次に,3個以上で同一段階の並列の場合は,初めの方は読点でつなぎ,最後の語句と直前のものを「又は」で結びます。a,b又はcです。3個以上で概念に大小がある場合は,小さい方の連結に「若しくは」を,大きい方の連結に「又は」を使います。a又はb若しくはcです。
 ちょっと意外なのは,「又は」をスタンダードに使いながら,大きい方の連結に使うコトでしょうか?「及び」と「並びに」の使い分けと,ココが違います。どっちかに,統一してくれないかな?

 「又は」と「若しくは」の使い分けは,わかりやすい条文があるので,ちょっと挙げておきます。刑法の条文です。
 
第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

 「死刑」と「懲役」で大きく2つの選択的並列になっています。そして,「懲役」の中で「無期懲役」と「5年以上の有期懲役」が選択的に並列になっています。

 選択的並列って,あんまり使うことはないんで,「及び」と「並びに」の使い分けほど,悩ましくはない印象です。たまに,混乱するときは,上の条文を思い出すんですが・・・なにも殺人罪の条文じゃなくてもいいのに・・・とは思っています。

 ♪Bank Band「何の変哲もないLove Song」(アルバム:沿志奏逢 2収録)

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