2010-11-03

法律家のヒヨコは,羽ばたきたいのに足かせが・・・

 青天霹靂にわか雨の中でも,折に触れて,判決書は公文書なんでちゃんとした日本語で書かないとダメとか,検察修習中に修習日誌が公文書だからという理由で書きなおしさせられたとかいうコトを書いてきました。
 こんな経験を修習中にしてるんで,普段,起案する際にも,常用漢字かどうかも含めて,これってOKだっけ?とかを若干,気にしてます
 というわけで-どういうわけ?―,法律家って,結構,メンドクサいという話です-たぶん,シリーズ化しそう-。

 文章を書く上で,結構,気を使うのが,「及び」と「並びに」の使い方です。書いてて,よくわかんなくなることがあるんですよネぇ~そんなときは,もう厳密に使いわけるのを半ば諦めてしまっていますが・・・
 名詞等を併合的に並列する場合,2個のときは常に「及び」を使います。a及びbです。3個以上の場合は,初めの方は読点でつないで,最後の語句とその直前の語句を「及び」でつなぎます。a,b,c及びdです。ただし,3個以上で概念に大小があるときは,小さい方の連結は「及び」を,大きい方の連結は「並びに」を使います。a及びb並びにcです―といってもよくわかんないですよネ―。
 
 基本的には,法文中の用法と同じ扱いなんですが,民法が結構,上記のルールを無視しちゃってます―並びにを単独で使ってるし・・・―。が,他の法律は,民法みたいな暴走はしてないんで,たとえば,刑訴法の条文を見てみましょう。

 第二百四十八条  犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

 「及び」と「並びに」が,ちゃんと使い分けられてます。「犯人の性格,年齢及び境遇」と「犯罪の軽重及び情状」と「犯罪後の情況」が併合的に並列しているわけです―ですよね?
 英語だと,一律andなんですよね。英文の契約書を読む際には,andが「及び」なのか「並びに」なのかに気を使わないとダメなんで,それはそれでメンドクサいのかも。

 ♪Mr.Children「Drawing」(アルバム:IT'S A WONDERFUL WORLD収録)

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