労働法上,労働者は,①労基法上の労働者と②労組法上の労働者の2つに大きく分けることができます。
⑴労基法上の労働者
ここでいう労働者は,労基法の適用対象になるかどうか?という問題です。労基法上といってますが,男女雇用機会均等法,最低賃金法,労安法,労災保険法,育児介護休業法,労働者派遣法,雇用保険法,雇用対策法等も同じ基準で労働者かどうかを判断します。労働契約法上の労働者も労基法上の労働者と基本的に同じと解されています。労基法上の労働者とは,「事業に使用される者で,賃金を支払われる者」のことで,職業の種類は関係ありません。ポイントとなるのは,①使用性と②賃金性の2つです。①使用性については,労働基準法研究会報告が判断基準を提示しています。裁判例は,提示された判断基準の要素のいくつかを勘案して判断しています。詳細には立ち入りませんが,その判断は,客観的な事実,実質的な事情に基づいて行われます。
⑵労組法上の労働者
ここでいう労働者は,労組法の適用対象になるかどうか?という問題です。コンビニのオーナーの労働者性は,こっちの問題です。労組法上の労働者とは,「賃金,給料その他これに準ずる収入によって生活する者」のことで,職業の種類は関係ありません。
⑴労基法上の労働者と異なり,①使用性は問われません。つまり,使用者に現に使用されている必要はありません。②賃金性についても,厳密な意味での労務対償性は必要とされていません。詳細に立ち入りませんが,労組法上の労働者は,労基法上の労働者より範囲が広いということです。
たとえば,プロ野球選手によって組織されたプロ野球選手会がプロ野球機構に対して団体交渉権を有すると判断されています(東京高裁平成16年9月8日決定)。
♪BUMP OF CHICKEN「ノーヒットノーラン」(アルバム:FLAME VEIN +1収録)