2017-04-10

悪魔が来たりて笛を吹く

 またしても,間隔が思いっきり空いてしまいました。ホントに余裕がなくなってきていて,かなりヤバいなぁ・・・

 それはそうと,ここんとこ落ち着いてきましたが,連日,報道されていた森友学園の問題。国会で総理が,「ないことを証明するのは悪魔の証明と呼ばれる」みたいなことを言ってました。ん?悪魔の証明って,そんな意味だっけ?という話しです。

 弁護士になってから,「これは悪魔の証明ですね」なんて言ったことは一度もなく,遠い記憶をたどっていく必要があります。聞いたことはあるんだよ,悪魔の証明。
 確か,民法の物権法だった気が・・・とだんだんと記憶が蘇ってきました。そう,所有権の立証の話しですよ!

 民法188条は,「占有者が占有物について行使する権利は,適法に有するものと推定する」と規定しています。
 たとえば,Aがある物を占有しているとします。Bがそれは自分の所有物だと主張したとしても,占有者であるAに所有権があると推定されているので,Bはその推定を覆さなければならないのです。
 なんで,そんなことが推定されるのかというと,本来,Aが自分に所有権があるということを立証しなければなりません。そのためには,Aの前にその物を持っていた人(Cとする)から適法に譲受けたことを立証するでしょう。でも,Cに所有権があったことも立証しないとダメですよね。とすると,Cの前の人,その前の人,と延々と遡っていく必要があります。でもそれって,事実上不可能で,悪魔の証明だ!っていうニュアンスだったと思う。出てきたぞ悪魔の証明。
 なので,経験則上,占有があるところに権利がある蓋然性が高いから,所有権があると推定してもいいよねということです。
 
 つまり,ないことを立証するのが無理だからっていう意味じゃないんですよね,悪魔の証明って。そんなことより,森友の問題って,このままフェードアウトしていくんだろうか・・・

 ♪Mr.Children「蘇生」(アルバム:IT'S A WONDERFUL WORLD収録)

今さらながら,都構想の根拠法を見ておこう

  大阪市を廃止し特別区を設置するいわゆる大阪都構想の2度目の住民投票が11月に行われます。前回の住民投票は僅差で否決されましたが,今回はどうなるんでしょうか?  そんな大阪都構想の是非は,いったん置いといて,その根拠となっている大都市地域における特別区の設置に関する法律の条文を...