2016-05-17

払ってないのか,結局・・・

 刑事裁判において,被告人が貧困その他の事由により,弁護人を選任できないときは,被告人の請求により,裁判所が弁護人を選任します。また,請求がなくても,一定の被告人については,裁判所が職権で弁護人を選任することがあります。さらに,必要的弁護事件といって,必ず弁護人を選任しないといけない事件が存在します。
 
 これらは,いわゆる国選弁護人です。 弁護士が仕事をする以上,国選弁護人に選任された弁護士は,国(法テラス)から報酬をもらうことになります。その報酬等の訴訟費用は,刑の言渡しを受けた被告人が原則として負担します。
 もっとも,被告人が貧困のため,訴訟費用を払えないことが明らかな場合は,被告人の負担にはなりません

 冒頭で,国選弁護人が選任される場合をわかりにくく,書きました。国選弁護人というと,資力のない被告人のためにというイメージがありますが,別に資力があっても国選弁護人が選任されることがあります。その場合は,結局,訴訟費用として,被告人の負担になることで,帳尻があうわけです(?)。

 報道によると,この訴訟費用が,ほとんど回収できてないらしい。被告人が訴訟費用を払えるかどうかは,別途,収入等を調査するわけではなく,提出された証拠から判断します。もちろん,保釈保証金を払ってるとかいうもの判断資料になりますが,限界があります。なので,結局,払えませんというケースも存在するんだろうと思いますが,払えるけど,払わないというケースもあるんでしょうね,どのくらいの割合かは,わかりませんが・・・

 こういう報道を見ると,弁論で訴訟費用を負担させるなと触れたり,がんばって,訴訟費用執行免除の申立てとかするのバカらしくなるな・・・

 ♪Mr.Children「もっと」(アルバム:HOME収録)

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